吾妻連峰 兜山
3月20日(土)
いずれは、登らねばなるまいと思っていた吾妻の一画、兜山は、綱木口から登山道が続く事は周知の通りであるが、地図上の地形、高度を表す曲線をなぞれば、大白布側からも辿れる事を教える。無名尾根に取り付き高度を上げれば、朝日、飯豊と遜色ない立派なブナ林が続いていた。直下の登りに掛かる手前より垣間見る兜山は、まさしく兜の鉢の如くに見える。発達の小さい雪庇を切り、山頂に立てば四周の山々は薄く浮かび上がり、愉しみにしていた米沢の町並みは棚引き指呼しょうもない。朝晩、仰ぎ見る吾妻の山に「ふるさとの山に向ひて 言うことなし ふるさとの山はありがたきかな」なる一首が頭を過ぎる。