朝日連峰 安部ヶ館山
安部ヶ館山方面から望む葉山連山
4月4日(日)
上天気を約束する朝の雪は、樏を不要の物にさせ、ツボ足はメートルを上げる。途中、通行ルートに人為的に掘られた穴を見る。「立つ鳥 跡を濁さず」なる格言も知らず、偸安をむさぼる連中の仕業であろう。オケサ堀から来る登山道と合わされば、谷を隔てて安部ヶ館山へと続く尾根が心を浮かせる。鍋割山左肩より目に飛び込む景観は余りあるもので、一人歩きの身には贅沢すぎた。その昔、安部一族が朝廷軍から追われ、要害の地とした山頂に辿り着けば山の先達、秀さんと共に石に枕し、スケッチブックを灰にした事々が偲ばれる。葉山山荘に立ち寄り白兎に下り立てば、秀さんが愛してやまない葉山連山の追悼登山は終わった。