長井葉山 安部ヶ館山

4月20日
勧進代登山口~安部ヶ館山~葉山山荘~白兎登山口(11時間)


地元の岳人も歩かぬヤブ山に、黒部探検時代の記録者岩永信雄は着目し、
三体連山はスキー登山とし、祝瓶山登攀後、安部ヶ館山を経て葉山へ下っ
たのは、昭和二年四月であった。
朝日のヤブ山と黒部渓谷の巡り合わせは、足許へも寄りつけぬであろうが、
山わっしゃこも黒部を知る者故であろう。
安部ヶ館山頂から、先蹤者が辿った足跡に、重なる己の足跡を見た山旅で
あった。




無名峰 1485m

4月9日
大荒沢~無名峰1485m~大荒沢(10時間30分)

登り残した無名峰へ続く白い尾根に乗れば、雪量は落ち、足早の春に驚く。傍らの
イワウチワがそれを物語る。
硬雪は、終始カンジキを入要とせず、知らず知らずにメートルが上がる。東面限界の
太古のブナ林を抜ければ、水平道先のスノーリッジは、雪を落としはじめ、なかなか
厄介なルートを作り出し、少しばかりの努力と度胸が必要である。
信用のおけぬスノーエッジ、ヒドン・クレバスを通過し、最後の雪面はアイゼン無しの
ピッケル頼みの登高で、複数回目のまっ皿なピークを得た。
栂峰の山頂は一投足であるが、近くて遠い山とした。恐怖観念からへっぴり腰での
下降で、パートナーがいれば笑われそうだ。起点に戻れば、細やかではあるが、
久々に、山に興奮した自分がいた。

















1485mピーク北西側(2009年3月21日)