無名峰 1485m

4月9日
大荒沢~無名峰1485m~大荒沢(10時間30分)

登り残した無名峰へ続く白い尾根に乗れば、雪量は落ち、足早の春に驚く。傍らの
イワウチワがそれを物語る。
硬雪は、終始カンジキを入要とせず、知らず知らずにメートルが上がる。東面限界の
太古のブナ林を抜ければ、水平道先のスノーリッジは、雪を落としはじめ、なかなか
厄介なルートを作り出し、少しばかりの努力と度胸が必要である。
信用のおけぬスノーエッジ、ヒドン・クレバスを通過し、最後の雪面はアイゼン無しの
ピッケル頼みの登高で、複数回目のまっ皿なピークを得た。
栂峰の山頂は一投足であるが、近くて遠い山とした。恐怖観念からへっぴり腰での
下降で、パートナーがいれば笑われそうだ。起点に戻れば、細やかではあるが、
久々に、山に興奮した自分がいた。

















1485mピーク北西側(2009年3月21日)