チェストバッグ














あると便利であろう小物入れさえ排除しザックだけを背負うスタイルは長年、沢登りで
培ったものであるが、尾根専門屋の今、便利さを追求すれば今流行のチェストバッグ
を購入した。雨蓋全てを収納し、例を取れば地図を開くにもザックを落とし再度担ぐ
手間が省かれロートルには有難い。だが、地下足袋を履きチェストバッグとはチンドン
屋さんのようでこっぱずかしい。山で会っても笑わないでほしいものだ。


飯豊連峰 門内小屋









門内小屋を望む


8月5日
丸森尾根に取り付けば早々に神経痛は出るは、丸森峰手前から脚はつるはで地神北峰に辿り着く。思案すれば欲にも歩くことができない朳差は諦めた。新潟の岳人から山の先輩、亀山さんが門内小屋に入っていると耳にする。地神山の登りにかかればイイデリンドウは見ごろで別れ行く朳差を背にすれば得も言われぬ大パノラマが広がっている。縦走路の起状は緩く稜線漫歩で小屋に着けば亀山さんの善意がノドをうるおす。数年ぶりの話は尽きぬが小1時間で小屋を後にした。昨日、口を開けたばかりの水場で水筒を満たし扇ノ地紙で弁当を広げ時間も忘れた。所々で腰を落とし山荘の屋根が見えればアブがまとわりつく天狗平に13時間後に降り立った。


愛宕山民衆登山












今年59回を迎えた愛宕山民衆登山に開と参加、記念品の鉛筆を頂く。
帰りしな、興味深い「斜平山周辺ハイキングとトレッキングコース図」の
パンフレットを手にする。



なでら山の名前と歴史

 何百年も昔のこと、なでら山の麓、李山(すももやま)に親寺
の他に六つの子寺を持った名高いお寺があった。お寺のうしろ
にある山なので七寺山(ナナデラヤマ)と呼んだ。
 また、この山は春が近づくと雪崩(なだれ)がさかんに起きた
のでなだれ山とも呼んだ。時代がすすむにしたがって地図に載
せるために国の方で付けた名前が斜平山(なでらやま)である。
この山の地質は古く、泥岩(でいがん)が主である。今から1千
万年も前の海底でできた岩石が隆起(りゅうき)してできた山と
いわれる。岩石の中に有孔虫(フズリーナ)や貝殻、ウニの化石
などがみられる。
 このように古い地質の山であるばかりか、斜めに切った山の
形は他では見られない変わった姿といえる。
                     
                                          文責  石 栗 正 人