朝日連峰 大朝日岳


10月19日
朝日鉱泉から1時間強のアルバイトで大正十四年伐開のツル尾根末端に着く。朝日俣沢と黒俣沢を分け派生する尾根は1200m余の高度差で大朝日岳に迫るのである。有無を言わせぬ急登もかげり始めた頃、展望はおもむろに開け、望外の山並みは休息を促し、合目毎に腰を下す。下から仰ぎ見る登山者を、口惜しがらせる騙しの頭に乗れば大朝日岳は近い。疎らな登山者と前後し山頂に立てば接空線に競い立っている山々に我を忘れる。平岩山分岐で祝瓶山へ続く縦走路と分け大沢尾根に入り、砂礫とハイマツを下れば主稜線から離れる事を知る。起伏に富む尾根も一つ一つ済し崩して行けば御影森山に着いた。ランプの世話を避けたくそそくさと下山するも山中は西日のオレンジ色から闇色と変わり、足元は灯りを頼るころ起点に辿り着いた。