朝日連峰 祝瓶山













11月21日(日)
愛せし祝瓶山を仰ぎ見れば黄金の色に染まりて、やがて来るのであろう白い世界へと移行の様相を呈していた。半年振りに履くEigerは鈍重で霜が張り付く吊り橋は冷や汗をかき、ビブラムを木の根や石に乗せようものなら滑らせられたり慣れに時間がかかる。ヌルミ尾根のブナ林を抜ければ背に大朝日岳から連なる主稜線を背負い、前面に宇津峠で飯豊に繋がる三体連山を目で追いながらの登行が続く。通常の岩場を避け内緒のルンゼで山頂へ達した。パノラマは言うまでもなく360度であったが風邪気味の身には微風も堪えそそくさと往路を降る。桑住平にて、クマさんにとあさひに託されたドングリを路傍の石の上に2っ、3っ置き人足のない道を急いだ。

ハンガロテック















いっとなく西高東低の気圧配置となり、山は冬の範疇に入ろうとしている。長年履いた重登山靴に防水油を沁み込ませ、樏にもアマニ油を塗るのは例年の作業である。まだ早いピッケルとアイゼン、シャベルの手入れは先となる。足回りの次に肝心なのは手袋である。高い防水のグローブと毛のインナーは、まだ持つことを確認。最後に引っ張り出したのは、今は作る人もいなく疾うに生産中止と聞くお気に入りの「ハンガロテック」である。

あさひ



















山の母から名をもらった孫娘「あさひ」は五歳と成りつつあり、祝いの写真に納まった。
山わっしゃこに似ず、美しい人である。