朝日連峰 祝瓶山















5月29日(土)
一ヵ月前、三体連山から見下ろした祝瓶山へ通ずる道は雪に覆われていたが、いまはすっかり雪消の道となっていた。野川を渡り、新縁を掻い潜る様に行けば、塩地谷地平で水バショウの群生を、桑住平にて十貫目のゼンマイを背負う山人に出会えば、春山の風物詩に触れる。三っの沢を跨ぎ、いつもの通り水筒を満たせば、山頂までは喘登一辺倒である。潅木帯が切れ案の定、岩場は雪に覆われ石突きも寄せぬ硬雪で足場を刻んでの登高だった。半年ぶりの山頂はガス一色の世界で、アカハナ尾根側を上がって来たパーティに声を掛け山を下れば、米沢で言う「かてもの」でザックが重くなったのは言うまでもなく、青い山を後にした。