2010/03/21

吾妻連峰 兜山












3月20日(土)
いずれは、登らねばなるまいと思っていた吾妻の一画、兜山は、綱木口から登山道が続く事は周知の通りであるが、地図上の地形、高度を表す曲線をなぞれば、大白布側からも辿れる事を教える。無名尾根に取り付き高度を上げれば、朝日、飯豊と遜色ない立派なブナ林が続いていた。直下の登りに掛かる手前より垣間見る兜山は、まさしく兜の鉢の如くに見える。発達の小さい雪庇を切り、山頂に立てば四周の山々は薄く浮かび上がり、愉しみにしていた米沢の町並みは棚引き指呼しょうもない。朝晩、仰ぎ見る吾妻の山に「ふるさとの山に向ひて 言うことなし ふるさとの山はありがたきかな」なる一首が頭を過ぎる。

2010/03/18

飯豊連峰 栂峰











3月15日(月)
雪虫が這いまわる頃は、雪は締まり、樏は不要の物と化するのだが、新雪に樏を締める。山は冬の眠りの醒めやらぬ姿であったが、尾根の一端に登り着けば、除々に日が差し、心は躍る。烏帽子山からの霞み渡る展望を横目に栂峰と面すれば、小さな不安と楽しい期待が交錯する。喘登はザックに落し差ししたピッケルも使わず、田沢地区から来る棒尾根と合わさる1485mに出た。栂峰に目を転ずれば、もっそりとした黒いオオシラビソの群落は、蔵王権現方面に発達させている。また、南方向の岩羽国境尾根沿には、見事なブナ林が彼方へと続くのである。風は吹き荒び、ある物全部を着込む。平頂の一番高い所で弁当を開げれば、一人歩きの心細さと寂しさが頭をもたげてくる。今し方稼いだ山を眺めながら夏道の着く尾根を下れば、村外れの外灯に安堵する。

2010/03/02

朝日連峰 長井葉山











2月28日(日)
Nさんの提案で、久しぶりに本来の登山口である白兎十文路より葉山へ入る。森林公園より左側の白兎尾根を捨て、大沢尾根650m地点から延びる枝尾根にバリエーション・ルートを求めた。登り出しは牛の背の如し広い尾根歩きで、大沢源頭に差し掛かれば、馬の背に推移する。最後の急斜面はピッケルが欲しくなるも、カモシカの足跡がスタンス・ホールドと化し助けられた。主稜線から先行者のトレイルを追い山荘に着けば、1組のパーティーは奥の院へ足を向かわせ、山荘内には夫婦らしきパーティーが暖を取っていた。心地好い疲れにビールは口を軽し、薪を補う。帰り道とした勧進代尾根を下れば、青空に映えるマンサクに、山が笑っているようだ。