朝日連峰 長井葉山











11月22日(日)
久しぶりの重登山靴は鈍重である。勧進代の尾根に乗れば、敷き詰められた落ち葉に足を取られつつも高度を上げる。分岐より雪は深さを増し、垂れ下がる冬木立の中は登りにくいこと夥しいも先行者のトレィルに樏は不要であった。山荘内に漂う薪の匂いに安堵を覚え、奥の院は横着を決めこんだ。草岡から上がって来たという若者と入れ代わり、山荘を後にすれば休らいながら山を下るのみである。

朝日軍道

15日(日)、葉山の自然を守る会主催の「考察 朝日軍道」と題した講義を拝聴してきた。来春は鱒淵から以東岳間の踏破と、御影森山、中沢峰の急斜面に通じる迂回ルートを探索する計画である。








だましみかげより中沢峰北東面の横道らしき跡

朝日連峰 大玉山













11月7日(土)
山から白い便りが届けば、祝瓶山荘閉まいの時期である。長井山岳会が維持管理する角楢吊橋の渡板外しと山荘の雪囲いの重労働が終わるころ山荘に着いた。かまどに掛けた羽釜の中で、おでんもどき物が煮え返り傍らでサンマが煙を上げて、すっかり慰労会の準備が整い恐縮する。カメムシ退治と掃除を早急に終わせば乾杯が発せられた。酒と肴はふんだんとありヌーヴォーのワインと初仕込みのドブロクで沈没する。
11月8日(日)
善意の人達は、しのこした仕事を一手に引き受けて、道楽で山に入る我々を送り出してくれた。道すがら梢ごしの祝瓶山は大きく登高意欲をそそるも十年、二十年と生きのびられたら、大先輩川崎さんの様なスタイルになりたいと切に願うもので、大玉山に向かう一員になることを請た。赤鼻尾根分岐より蛇引尾根分岐間までの道は登山者と行き会うこともなく静寂の中の歩きである。おおむね中間に位置する大玉山の売りはここにある。山頂ではaが望みのコーヒーを挽いてくれた。それを啜り、山波を見霽かせば個々は回想に耽った。帰りしな、四季を通してここを幾度も通過した川崎さんは三角点の頭をやさしく叩く。感謝の念であろうか。

自宅から望む飯豊山




















初冠雪の大朝日岳は霞んでおり、飯豊山はくっきりと望めた。