朝日連峰 祝瓶山



8月30日(日)
久しぶりに藪を漕ぐ。昔の記憶を辿れば、角楢沢から雪渓を繋ぎ通称カミナリ尾根に乗った。下部は藪であったが、上部へと登るにつれ雪を付けた尾根の登行は順調で祝瓶山へ上がったものだった。今日は、そうはいかず雪で押し潰された藪は直立し行く手を阻み、輪をかけて、担ぎ上げた草刈機が時間と体力の浪費を齎す。這う這うの体で祝瓶山頂に着けば時間は足りず予定の道刈りは中止しざる得ない。終止、無用の長物と化した草刈機に泣かされ、カクナラ尾根途中より灯りが頼りの下山となった。

朝日連峰 平岩山









前御影森山から御影森山間の登山道
8月23日(日)
長井葉山から御影森山へ至る「朝日軍道」はアプローチも長い所為か、通行者も疎らで不遇の道に映る。故にここ数年間道刈りが成されず、荒廃の一途を辿るかのように思われた。「天地人」ブームが背景にあるかは定かでないが、漸く道刈りが行われたと風聞あり、中沢峰より確認すればその通りで、御影森山へと続いていた。大沢峰の水場で英気を養い、平岩山より「朝日軍道」を外れ大玉山経由で祝瓶山荘に戻ったのは、半日と9分後であった。

飯豊連峰 飯豊山










8月16日(日)
大又沢と桧山沢落合から派生するダイグラ尾根は、飯豊連峰屈指の長大な尾根である。桧山沢で汲みこんだ水筒を担ぎ、バカ尾根に乗れば飯豊山まで徹頭徹尾、気力と忍耐の取り組みで済し崩す以外術は無い。道すがらに、昔の思い出を見る。山頂よりの展望に打たれ、御西へと足を向け、水場でビールを冷やせば一日の仕事は終わる。
8月17日(月)
大日岳には行かず、コーヒーと四方山話を選び横着を決め込む。これから向かう稜線の左右を分ける渓谷を覗き込めば、二度と溯ることはない淋しさを知る。カイラギ小屋は交差する登山者で賑わいをみせ、管理人の関さんと暫し話しこむ。梶川尾根を下る予定は暑さに負け、一昔以来のカイラギ沢に変更し、中ノ島草付きにて地下足袋を履く昔ながらの岳人二人と行き会い、互い足元を見つめほくそえむ。ザックの底に仕舞いこんだ「カナカンジキ」は使用することなく雪渓の切れ間に下り立つ。群青に晴れ渡る門内沢出合にて水遊びに戯れれば沢心がつくも、如何せん現状の境遇が許さず不本意ながらえせ沢ヤに成り下がった。左岸に付く登山道を、チンタラと道草しながら辿るも、アブが纏わりつく温身平に着いてしまった。