朝日連峰 祝瓶山











祝瓶山に立つ


6月27日(土)
酒をたっぷりと飲んだ夜であった。突然の来客あるが、片割れの鼾にy嬢とkは寝不足気味であると後で知る。
6月28日(日)
何時しか眠りから覚めれば焚き火があった。祝瓶山は顔を覗かせ左肩に冷たいビールを約束する雪が着いていた。蒸せ返すような中を隊列を組み進み、休み場あるごとに腰を下ろし水筒にがぶりつく。樹林が切れ岩場に出れば一層暑さが増すが目をつけておいた雪渓に乗ればヒンャリとした空気が漂い離れがたしも、一投足で初登山のy嬢と、ここ著しく山慣れしてきたkの新人2名は長井山岳会の「心の山」祝瓶山へ登頂せり洗礼を受けた。ごった返す山頂に彼女を残し、男4人は岩場にロープ取り付けに下る。作業が終わればよく冷えたビールが待っていた。霞み渡る四方の山波を見はるかす新人2名は山に何を問うたのであろうか。

飯豊連峰 栂峰











6月14日(日)
前日、長井葉山へ登ったs、aと今回2度目の登山となる若いkをタケノコで釣り、同行する女性2名のサポートをお願いした。晴れマークは出ているもののパッとしない天気の中、参拝道に乗る。杉林を抜け、ブナとナラ、クロベの大木と目まぐるしく変化する植生を見れば、オオシラビソの群落する大荒沢山こと栂峰山頂へと導かれた。唯一の窓ある南方へ赴くもガスに閉ざされ視界無し。傍らに深山の貴婦人シラネアオイが咲き誇り展望に変わる。昼食を済ませ下山に取り掛かり天照大神に着く頃、ザックはタケノコ他諸々で重さを増していた。

朝日連峰 祝瓶山荘にて









新鋭1名を欠くが山荘に集う

5月30日(土)31日(日)
「三人寄れば山岳会」の時代は衰退し、会員の減少も拍車をかけ存続すら危ぶまれる山岳会もあると聞く。我が山岳会も同様な有り様に危惧するも、昨年来立て続けに新鋭4名が長井山岳会に名を連ねた。提唱すれば先ず故郷の山々に分け入りじっくり知り尽くし己の哲学の山を模索するが良いだろう。斯く言う山わっしゃこも未だ域半ばで滸がましいものの言い方をするが共に実践したいと願っている。


気の合つたそして気のおけない二、三の友と共に歩く山登りは真に何ものにも代へ難く愉しい。それこそどんな苦痛にも困難にも、また危難にも耐え抜くことが出来よう。そして共に得られた喜びもまた領ちあえるのである。そして結び合はされた友情は、その山と共に永く人の心に残るものであろう。
モーリスエルヅヴーク