朝日連峰 祝瓶山














12月1日(火)
いつも少年のような心を持つ山岳会の大先輩である秀さんが逝った。山荘から仰ぎ見る祝瓶山は広がる青空に浮き出て天を突く。山の懐深く入れば、木々の葉は皆落ちつくし寒さにふるえていた。道々の古い鉈目を目にすれば、鎌を振る秀さんが偲ばれる。1000mからの尾根は次第に雪が覆い、クラストと化す所はダマシながらの通過となる。直下の岩場は急峻ゆえ雪を着けずとも狐色に枯れた草は雪以上に手強く、幾度もスリップさせられた。登り切れば秀さんのスケッチブックに描かれた祝瓶山頂であった。 合掌