朝日軍道の荒廃Ⅱ












9月15日(月)
集中力が欠け怪我を嫌ってエンジンを止める。一本を立てた後、長井山岳会の先達者達が葉山からの冬季縦走の折、ラッセルの苦しさから名を由来したダマシ御影(1423m)まで向かう。最低鞍部まで然程藪は気にならず1181m尾根から分ける野川オオドミ、ヌルマタオオドミの水場は密藪の先に消えていた。ダマシ御影の登り返し手前から疎林が故に日当たりもよく一層草木を生い茂らせて、この先の難行が予想できた。朝日軍道復元の登山道が完成したのは昭和32年で、同じして祝瓶山から平岩山間をも長井山岳会が開設し循環コースを切った。翌々年には長井葉山から大朝日岳間で県総体が開催されるなど、循環コースは往年を知る岳人達に一時期、誉めそやされたが今は人の往来も少なく目の当たりの様である。秋ばみはじめた物寂しい史跡の道に別れを告げ、決意を新たに山を下りた。