朝日軍道の荒廃

朝日俣沢と野川上流の分水嶺がある櫛形尾根の突端に位置する御影森山から長井葉山と大朝日岳の略中間に当たる中沢峰間が荒廃寸前との情報を得る。御影森山から前御影森山の手前間、中沢峰から最低鞍部までと部分的ではあるが歩いたのは7月上旬で、藪はそこそこであったが支障なく歩くことができた。その後は道刈りもされず史跡の道は藪で覆われ憂き目を見たのであろう。このまま原生の佇まいに還るが良いか、先人の足跡を偲び辿り続けるが良いか個々の想いは様々であろうが、山わっしゃこは御影森山、中沢峰の山頂を避け各鞍部から延びる朝日軍道ルートに着目しており後者を取る。情報の仕入が目的であるが一応は草刈機を担ぎ山荘裏から続く登山道に乗る。ザックは2缶の混合ガソリンと多目の水で少々重めである。巡視路を兼ねる登山道は丁寧に刈り込まれ足運びは良いが展望はあまりヨロシクない。道端のキノコに秋の気配を感じつつ地べたに汗を落とし黙々と歩くのみである地図のコースタイムピタリで中沢峰に着いた。分岐点から御影森山方面に降り立てば目の当たりにネマガリタケと潅木が蔓延ってあった。元の道形に戻すには無勢では到底太刀打ち出来ずと理解するも草刈機を回す。ツル草が地竹と潅木に絡み合う手強い藪に標高50mを落とすのに3時間半を要した。 つづく