朝日連峰 大朝日岳










御影森山から望む中ツル尾根と大朝日岳










御影森山から前御影森山、ダマシミカゲ(左)、奥に中沢峰










クマにかじられた道標










朝日鉱泉「古川屋」の墓



7月13日(日)


先週、中沢峰から望んだ御影森山へ無性に行きたく、朝日鉱泉から周回コースを取り、20年ぶりに中ツル尾根を辿った。朝日、飯豊に共通する初っ端の急登で汗を絞られる。薄ら覚えの長命水の水場周辺は、山抜けが著しく自然力を感じる。久しく忘れかけた景色を目で追いながらの登りで、左手に望まれる御影森山コースのコブ山が気になり始める。去年、溯行した朝日俣沢上部は、雪渓の下にあり、ここを確認できれば一投足で大朝日岳の山頂だ。山頂には多くの登山者が居り、裏山通いをしている者にとっては華やかな場に映る。四周全ての展望とミカンの缶詰を愉しみ平岩山へ向かうも、直下で思いも寄らぬ川崎さんと行き会う。先週も三体山、中沢峰へと2日間山を共にし、疲れた身ながら今日も山を歩く川崎さんの執念に呆れ返るも、私もこういうスタイルになりたいと切に願っているのである。暫し話し込み別れる。平岩山頂では、のんびりと山を眺めながら弁当を広げる。ハイマツの中を行けば、大朝日岳を囲む沢が頭をよぎるのは、沢詰めの最後の話はハイマツの藪漕ぎで、随分泣かされた思い出からであろう。東へ延びるコブ山をいくつも越せば中沢峰から見えた御影森山の跨げた頭に着いた。休まず前御影森山へと向い山頂手前で、黒いモノが藪へと走り去った。山では危険を察知すれば避けるのが心得で、大急ぎで戻り返す。御影森山頂は、展望が優れているものの、日陰も無くそそくさと立ち去る。高度を下げ続けると、道標が道の真ん中に立ってある上倉山のピークに着いた。道標の裏側をのぞきこむと、熊の仕業と思われる齧られた跡を見る。ここからわずか降れば、登山道沿いに水場はあるが、水量は細い。なおも高度を落とし足袋足が縺れ始め沢音が谷底から聞こえれば、終点の登山道分岐は近い。吊り橋手前には、朝日連峰の名案内人と言われた古川政次爺、房吉爺のお墓が道端にあり手を合わす。過って、3軒在った鉱泉宿跡は、今は草薮に埋もれ往時を偲ぶ術は無い。ナチュラリストの家の前は何度も通ったものの、入浴した試しが無く、又もやチャンスを見逃し、途中、沢で水浴びをし、さっぱりしたところで、家路につく。