朝日連峰 中沢峰










御影森山へ延びる「朝日軍道」










花崗岩の標柱


7月6日(日)

昭和55年秋祝瓶山荘裏から中沢峰(1343m)を結ぶ登山道が完成した。中沢峰は山頂で、かつての朝日軍道と繫がり平岩山を経て大朝日 到るが遠く、枝尾根が故に岳人にはさほど知られず、不遇の山の感がる。我々は、真西に峙つ祝瓶山を捨て、中沢峰の登山道に乗る。1031mのピークまで息もつかせぬ急登で、風鉾の頭(1061m)よりは 緩登に助けられる。道端をやれば花崗岩の西根村、平野村の境界標柱が往時を偲ばせる。平坦な尾根は根気よく時間を稼げば、ダケカンバの植生が見られる三角点と導かれる。分岐点は東へ僅か降る。日を避け、地べたに腰を下ろせば、川崎さんは、苦労した朝日厳冬季縦走を思い起こし、あのときのことが走馬燈の如く駆け巡っている様がかけから察せられた。ゆったりと北へ延びる尾根を追えば1181mの鞍部は野川大留の水場である。疎林の中を次第に登れば騙し御影 (14 23m)前御影森山(1435m)と続き、奥に頭を擡げた御影森山があった。左奥に盟主大朝日岳が大きく聳え威儀堂々として立派である。秋あたり、東の葉山から派生する尾根を辿り、忠実に朝日軍道を及び歩くことを目論見、山荘へと降った。